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自動車窃盗団は「下見」の段階で逮捕できるのか?

コラム
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日本では窃盗罪は犯罪者側にとって優位な法律?!窃盗罪を熟知して暗躍する自動車窃盗団。

自動車窃盗団
自動車窃盗団

自動車窃盗は大きく分けると「自動車窃盗団」と「組織に属してない自動車窃盗犯」に分かれます。

もし自動車窃盗団であれば、必ず車や自宅の「下見」をしてきます。
その理由は自動車窃盗団は「計画的に車を盗んでいる」からです。
では自動車窃盗団らしい人物が下見をしている時に警察は動いてくれるのでしょうか。

今回は、自動車窃盗団は「下見」の段階で逮捕できるのかについてわかりやすくご紹介します。

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自動車窃盗は「下見」の段階で逮捕はできるのか?

結論からいうと、どんなに自動車窃盗のおそれがあっても「下見」の段階では警察は逮捕はできません。

例え、怪しい人たちが毎日車の近くまできて、覗き込み、コソコソ話をしたり、周囲の様子を探っていてもダメです。
どんな不審な動きをしてもダメ、防犯カメラに映っていてもダメです。
仮に警察に通報しても一切動いてくれません。
何度も通報すれば、一度くらい見回りに来るかもしれませんが逮捕まではしてくれません。

残念ですが、怪しい人たちが毎日車の近くまできて不審な動きをしていても車の持ち主は黙って指をくわえているしかないのです。

「下見」の段階で逮捕できない理由とは?

自動車窃盗が「下見」の段階で逮捕できない理由は、窃盗罪の要件が成立していないからです。

窃盗罪の要件が成立していないと、例え道具を使って盗む直前でも窃盗罪にはなりません。
悔しいですが、警察は何もしてくれません。

車の持ち主は自動車窃盗犯に対して、盗む直前までは自分で車を守るしかないのです。

窃盗罪とは何か?

窃盗罪とは、他人の物を盗む犯罪のことです。

自動車窃盗も窃盗罪になります。
ただし窃盗罪という罪は、成立するにはいくつかの要件があります。
窃盗罪はすべての要件がそろわないと一切警察が動いてくれない法律です。

そのため、例え不審者が自動車を盗む直前であっても警察は動いてくれません。

窃盗罪の成立にはどんな要件が必要なのか?

自動車窃盗で、窃盗罪が成立するには「窃盗罪の要件」が必要になります。
「窃盗罪の要件」がすべてそろっていないと窃盗罪が成立しません。

「窃盗罪の要件」とは次の3つです。

①盗んだ物が他人の占有している財物であること
②物を盗んだという事実があること
③他人の占有物を自らの物として経済的に利用、または処分する意思があったこと
窃盗罪の要件

もしこの3つの要件の中で、1つでも欠けていると窃盗罪は成立しません。

〇窃盗罪の法的根拠は次の条文です。

(窃盗) 第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪の法的根拠

窃盗罪は法律的には結構複雑な法律

このように窃盗罪は法律的には結構複雑な法律です。
なので、例え不審者が自動車を盗む直前であっても警察は逮捕できないのです。

警察が逮捕できるのは、最低でも自動車を盗んだ後でないと逮捕できません。
正確には、盗んだ車が自宅の駐車場を出た後であれば逮捕することができます。
ちなみに車を盗もうとしていても自宅の駐車場の中にいる間は逮捕できません。

このように窃盗罪は車の持ち主にとっては結構ヤキモキする法律です。

自動車窃盗を「下見」の段階で逮捕する方法はないのか?

自動車窃盗は「下見」の段階では警察は逮捕できないのでしょうか?

実は自動車窃盗は「下見」の段階でも逮捕できる方法があります。
それは自動車窃盗だけでなく「強盗」をするおそれがある場合は「下見」の段階であっても警察は逮捕することが可能です。

具体的には「強盗予備罪」が適用されれば「下見」の段階で逮捕できる可能性があります。

そもそも予備罪とは何か?

予備罪とは、犯罪の実現を目的とする準備段階の行為をした時に適用される罪名のことです。

予備罪は準備行為自体が処罰の対象になります。
具体的に予備罪には次の8つの種類があります。
内乱予備罪、外患予備罪、私戦予備罪、放火予備罪、通貨偽造準備罪、殺人予備罪、身代金目的略取等予備罪、強盗予備罪です。

簡単にいうと、人の身体に影響を及ぼす時に予備罪が適用されます。

強盗予備罪とは何か?

強盗予備罪とは、強盗をする目的でその準備をした時に成立する罪名のことです。

強盗とは、暴行、脅迫をして他人のものを強奪する行為のことです。

自動車窃盗の時に「強盗」が発生するおそれがあると強盗予備罪が適用され「下見」の段階でも警察は逮捕することができます。

強盗予備罪が適用される条件とは?

強盗予備罪が適用される条件は主に次の3つのいずれかです。

① 強盗相手の家を下見しに行く行為
② 強盗用の凶器を購入する行為
③ 強盗に必要な道具や資金を準備する行為

自動車窃盗で、さらに強盗をする気で相手の家を下見しに行く行為をすれば強盗予備罪が適用され逮捕されます。

日本では窃盗罪は犯罪者側に優位な法律になっている

日本では、自動車窃盗を計画しても、下見をしても逮捕はされません。

完全に自動車が盗まれたという事実がないと警察は動きません。
しかも警察が動くのは犯行からかなり後になるので、対応が後手後手になり、結果さらに逮捕が遅れます。
このように日本では窃盗罪は犯罪者側にとって優位な法律です。

自動車窃盗をしていれば簡単には逮捕ができないので、現在でも自動車窃盗団は安全に高級車を盗み大きなお金を稼いでいます。

まとめ

裁判所
裁判所
今回は、自動車窃盗団は「下見」の段階で逮捕できるのかについてご紹介しました。

自動車窃盗団は、窃盗罪がどんな法律なのかを熟知しています。
そのため警察を恐れることなく、今日も高級車を持つお宅の下見をしています。
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