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自動車窃盗の目玉抜きとは?なぜ目玉抜きすると高値で売れるのか?

コラム
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自動車窃盗団が盗難車を売り抜けるために行う「目玉抜き」とは?

コーションプレート

「目玉抜き」という自動車窃盗用語をご存知でしょうか?

一見、車のヘッドライトを抜き取るような意味に思われますがまったく違います。
実は目玉抜きとは、盗難車を売る手法のことです。
目玉抜きの技術があれば、盗んだ車を簡単に高値で売ることができます。

今回は、自動車窃盗の目玉抜きとは・なぜ目玉抜きすると高値で売れるのかについてわかりやすくご紹介します。

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目玉抜きとは何か?

目玉抜きとは、自動車窃盗用語で「車体番号の打ち換え」のことです。
簡単にいうと「車台番号の改ざん」です。

目玉抜きの読み方は「めだまぬき」と読みます。
目玉抜きをされた盗難車のことを「車体番号偽造車」と呼びます。
また別名「打ち換え車」とも呼ばれ、簡単なやり方でまったく別の車につくり変えることが可能です。

まとめると目玉抜きとは、盗難車の車体番号を打ち換えて、車体番号偽造車につくり変え高く売ることをいいます。

具体的に自動車窃盗の目玉抜きとは何か?

自動車窃盗の目玉抜きとは盗難車のコーションプレートを貼り替えることです。

具体的には盗んだ車のコーションプレートを、同一車種の事故車のものに溶接で貼り替えることをいいます。
盗んだ車のコーションプレートを事故車のものに貼り換える理由は、盗んだ車を合法的に流通している事故車につくり変えるためです。

作業内容はベースは盗んだ車をそのまま利用し、その盗んだ車に単に事故車のコーションプレートだけを貼り換えるだけの作業です。

コーションプレートとは何か?

コーションプレートとは車の詳細な情報が記された金属板のことです。
簡単にいうとコーションプレートとは「車の名札」のことです。

コーションプレートには一般的に製造元・車台番号・車体色番号などが記載されています。
ちなみにメーカーによって記載されている内容・貼られる場所は異なります。

一般的にはボンネットを開けた時に、車の骨格部に貼り付けられていることが多いです。

自動車窃盗団が「目玉抜き」をする理由とは?

自動車窃盗団が「目玉抜き」をする理由は、盗んだ車を簡単な技術だけで高値で売ることができるからです。

「目玉抜き」は単にコーションプレートを貼り換えるだけでほぼ手間なく、簡単に偽造車をつくりあげることができます。
よって人・技術・装備・資金のコストがほとんどかかりません。

まとめると「目玉抜き」とは、ベースとなる車を盗み、事故車を安く仕入れて、偽造車を高値で売ることができる「自動車窃盗改ざんビジネス」ということです。

「目玉抜き」とはどんな作業をするのか?

具体的に「目玉抜き」とは、車のボンネットの奥にあるコーションプレート(金属板)を、グラインダーなどで削り、事故車のコーションプレートを溶接して貼り付けるだけの作業です。
慣れた自動車窃盗犯だと1人で10分程度でできます。

このように「目玉抜き」は自動車窃盗犯からするとラクにできる作業です。

海外バイヤーが「目玉抜き」を高値で買ってくれる理由

「目玉抜き」とわかっていても、海外バイヤーは高値で買ってくれます。
主な理由は次の2つです。

① 盗難車であっても車自体は優良車だから

そもそも盗難車であっても車自体は優良車です。
どこも悪いところはありません。
盗難車でなく、合法的に手に入れた車であれば普通に高値で売れます。
「目玉抜き」した偽造車でも調子がよいので壊れることがなく、海外のバイヤーは安心して高値で買ってくれます。

② ほぼ警察に見つかることはないから

「目玉抜き」で偽造車にしてしまうと、ほぼ警察に見つかることはありません。
なぜなら普通の警察官では見抜くことができないからです。
「目玉抜き」は改ざん技術が高く、パッと見ただけではわかりません。
そのため海外のバイヤーは「目玉抜き」した偽造車を安全に海外に持ち出すことができます。

「目玉抜き」された車はいくらで売れるのか?

「目玉抜き」された偽造車は、通常海外バイヤーに売られます。
一般的な偽造車は日本円でおおよそ200〜300万円です。(車種により変わります)

「目玉抜き」された偽造車が高く売れる理由は、海外のユーザーからみると単なる輸出された調子がいい中古車にしか見えないからです。

一度海外に渡れば、もう二度と日本の警察の捜査が及ぶことはありません。

税関ではどれほど盗難車を見抜けるのか?

税関では「目玉抜き」などの偽造車、また盗難車はどれくらい見抜けるのでしょうか?
こちらでは「自動車窃盗の認知件数」と「税関における盗難自動車等の摘発台数」についてご紹介します。

警察庁によると自動車窃盗の認知件数は毎年約5,000〜6,000件の間で推移しています。
ちなみに税関における盗難自動車等の摘発台数はほぼ毎年0〜10件程度です。
もっとも摘発数が少ない時には1/6000しか見つかっていません。

これらのことからいえることは盗難自動車はほぼ摘発されることがないので、自動車窃盗団は安心して海外に不正輸出しているということです。

まとめ

車検証
車検証
今回は、自動車窃盗の目玉抜きとは・なぜ目玉抜きすると高値で売れるのかについてご紹介しました。

自動車窃盗の目玉抜きは、自動車窃盗団にとってもっともコスパがよく、安全に海外に不正輸出できる手法です。
これからも自動車窃盗団は目玉抜きをやり続けることでしょう。

窃盗団のターゲットにならないようにするには、なるべく防犯設備を向上させることと、GPSを取り付け盗まれた際には迅速に追跡ができる仕組みを整えておくことをおすすめします。
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