自動車窃盗で通報…その後いくら待っても音沙汰なし!?!そんな事ってあるの?
自動車窃盗された時に、真っ先に通報するのが「警察」です。
ところがほとんどの場合、その後いくら待っても音沙汰なしということがよくあります。
当然、車の持ち主は「一体、警察は何をしているんだ!」となります。
では、自動車窃盗された時に実際警察は頼りになるのでしょうか。
今回は、自動車窃盗で警察が当てにならない理由についてわかりやすくご紹介します。
① 自動車窃盗は現行犯以外ほとんど捕まらない
1つ目の理由は、自動車窃盗は現行犯以外ほとんど捕まらないからです。
警察は一般的な窃盗事件の件数が多く、自動車窃盗にだけ捜査のリソースはさけません。
具体的には、令和4年の窃盗犯の認知件数は407,911件、それに対し自動車窃盗犯の認知件数は5,734件しかありません。
一般的な窃盗事件は、自動車窃盗犯のおよそ70倍も事件が発生している計算です。
これから言えることは、1/70しか発生してない事件のために警察はリソースをさけないということです。
結果、捜査がされないので自動車窃盗は現行犯以外ほとんど捕まらないということになります。
➁ 自動車窃盗をされても警察は「被害届」を受け取らないことがある
2つ目の理由は、自動車窃盗をされても警察は「被害届」を受け取らないことがあるからです。
自動車窃盗をされた時に、警察に自動車窃盗の捜査をしてもらうには「被害届」を出さなければなりません。
「被害届」を出して、受理してもらってから初めて捜査のきっかけになります。
ただし、実際に自動車窃盗に遭っても警察から受け取ってもらえないことがよくあります。
警察が「被害届」を受け取らない理由
警察が「被害届」を受け取らない理由は次の通りです。
- 自動車窃盗が遭ったことを裏付ける確実な証拠がない場合
- 申告した本人が虚偽をしていたり、供述に一貫性・合理性がない場合
- 盗まれた車に関する具体的な情報がない場合(車種・ナンバー・盗難場所・盗難日時など)
- 車の持ち主以外が申告をしている、または車の持ち主の承諾がない場合
- 身内同士での車の貸し借りで戻ってこないような事件性がない場合
- 警察が繁忙期の時に後回しにされる場合(ただしいつかは受理される)
➂ 「被害届」を受け取っても警察は動かない
3つ目の理由は「被害届」を受け取っても警察は動かないからです。
まさかと思うかもしれませんが、自動車窃盗をされた時に「被害届」を受け取っても警察は動かないことがあります。
なぜなら「被害届」を受け取っても捜査するかどうかは警察が判断してよいからです。
連絡の義務もないのでその後連絡もしてきません。
実は警察は「告訴」されていないと捜査する義務がないのです。
自動車窃盗で警察を動かすには「被害届」を出すだけでなく「告訴」することで警察が動きます。
「告訴」されていない時の警察の動き
「告訴」されていない時の警察の動きは次の通りです。
- 大規模な自動車窃盗事件に関与してないとほぼカヤの外
- 被害届は単に警察署に自動車窃盗をされたというデータがインデックスされただけ
- 交番でのヒアリングだけで現場検証がない場合はほぼ放置
残念ながら、三原じゅん子議員やタレントの出川哲郎さんやダレノガレ明美さんなどのようにニュースバリューがないと「被害届」を出しただけではほぼ警察は動きません。
④ 捜査員不足
4つ目の理由は、捜査員不足だからです。
警察は常に事件の件数に比べて捜査員不足です。
警察署の中で、自動車窃盗の担当は捜査三課になります。
捜査三課は窃盗全般を担当している部署です。
捜査三課は業務が広範囲で自動車窃盗にだけ人員をさくことができません。
捜査三課の業務内容
捜査三課の業務内容は、空き巣、引ったくり、万引き、自転車泥棒、置き引き、スリ、車上狙い、自動車窃盗などです。
しかも令和4年の窃盗犯の認知件数は407,911件もあります。
ちなみに自動車窃盗は窃盗事件全体の1/70の5,734件しかありません。
1つの県警では捜査三課の人員は限られているので自動車窃盗にだけ人員をさくことはできません。
また小さな事件の場合は、交番に任せられ捜査三課まであがってこないこともあります。
以上の理由で警察は常に捜査員不足であることから、自動車窃盗にだけにかまっていられないので当てにならないということです。
⑤ 一般の警察官は偽造車を見破れない
5つ目の理由は、一般の警察官は偽造車を見破れないからです。
そもそも一般の警察官は自動車窃盗、偽造車に関する知識がありません。
自動車窃盗を専門にしている警察官でないとほぼムリです。
また盗まれた直後であれば、まだナンバープレート、コーションプレート、車検証を確認できれば窃盗車ということがギリわかるかもしれません。
ところが一旦偽造車になると、自動車窃盗のド素人である一般の警察官ではほぼ見破ることは不可能です。
⑥ 職質では自動車窃盗犯は見つけられない
6つ目の理由は、職質では自動車窃盗犯は見つけられないからです。
職質は犯罪者を見つける有効な手段です。
ただし一般的な職質は、ほぼ身元確認なので、自動車窃盗とは関係がありません。
また職質専門の警察官は自動車窃盗に関する知識もなくほぼ考えていません。
そのためどれだけ職質しても自動車窃盗犯を見つけることは難しいでしょう。
⑦ 全国共通の警察情報システムは偽造車には役に立たない
7つ目の理由は、全国共通の警察情報システムは偽造車には役に立たないからです。
一旦偽造されると、元情報しかない全国共通の警察情報システムではまったく役に立ちません。
なぜなら警察情報システムにインデックスされる頃には、偽造が完了してまったく別の車になっているからです。
⑧ 警察は管轄外の話になると連携がされにくい
8つ目の理由は、警察は管轄外の話になると連携がされにくいからです。
警察は管轄外の事件は連携がされにくいので、担当する管轄が違うと自動車窃盗の捜査が難しくなります。
なぜなら警察は縦割り組織なので管轄が違うとまったくの別組織(別の会社)だからです。
ちなみに警察の指揮命令権は各都道府県知事が持っています。
よって、他県をまたいだ事件になるといろいろ手続きが面倒になります。
しかも警視庁・県警などは単独では広域な捜査ができる権限がないです。
2県以上をまたいだ自動車窃盗事件の場合には、広域捜査本部を設置後でないと警察は動けません。
また、そもそも他県で行われた自動車窃盗を一般の警察官は知らないし、興味を持つこともないです。
これらの理由で警察は管轄外の話になると連携がされにくいので、自動車窃盗の時は警察は当てになりません。
まとめ
今回は、自動車窃盗で警察が当てにならない理由についてご紹介しました。
警察は現行犯には物凄く対応が早い組織です。
ただし自動車窃盗の捜査になると、捜査員の仕事に変わるので検挙率は下がります。
自動車窃盗対策をするなら警察を当てにするのではなく、できるだけ持ち主が積極的に盗まれない対策をとることをおすすめします。